令和6年度 沖縄県立宮古病院 病院指標
令和6年度 沖縄県立宮古病院 病院情報の公表
病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
医療の質指標
- リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 血液培養2セット実施率
- 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
- 転倒・転落発生率
- 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
- 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
- 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
- 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 371 | 89 | 134 | 237 | 267 | 373 | 793 | 989 | 892 | 496 |
当院は、宮古圏域における中核病院として、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の患者様に質の高い医療を提供しています。令和6年度の状況をみると、60歳以上の高齢者が約68%でさらにこれらの患者さんは入院比率が高いという特徴があり、高齢者の占める人口構成比と並行して入院患者の高齢化も目立ちます。その一方で、新生児・乳幼児の入院患者の占める割合も比較的高いため、高齢者医療だけではなく、新生児医療を支えているという急性期病院の特徴をもっていると言えます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 107 | 13.46 | 17.33 | 1.87 | 83.13 | |
050050xx9910xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし | 78 | 3.29 | 3.07 | 1.28 | 68.22 | |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 77 | 8.32 | 8.88 | 3.90 | 76.16 | |
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 48 | 2.85 | 2.57 | 0.00 | 66.52 | |
0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし | 41 | 11.93 | 16.40 | 4.88 | 84.44 |
宮古島は県内でも生活習慣病や高齢者の割合が高くなっています。狭心症などの虚血性心疾患が増えているなかで、当院では経皮的冠動脈形成術を行い、左冠動脈主幹部や多枝病変の患者さんには予後を考え、沖縄本島の心臓血管外科施設のある病院を紹介してバイパス手術を行っています。繰り返し入院する心不全の患者さんに対しては、その原因を精査して原因に基づいた治療を行っています。心不全の重症度に応じて薬物療法、持続陽圧呼吸療法(C-PAP)、気管内挿管、大動脈内バルーンパンピング法(IABP)などの治療を行っており、それに関連した多職種のチーム医療で患者様をサポートしています。また、宮古島は肝内外胆管の結石・胆管炎も多く、内視鏡下切石術ないし内視鏡的胆道ステント留置術を行い、ドレナージし抗生物質による治療も行っています。高齢化から嚥下機能障害による誤嚥性肺炎や排尿機能障害からくる腎臓、尿路感染症から敗血症にいたることもあり、喀痰や尿を採取したうえでグラム染色を行い、CTなどの画像検査や血液培養などで原因菌を同定して適切な抗生物質で治療しています。
総合診療科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし | 74 | 12.57 | 16.40 | 4.05 | 86.30 | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし | 48 | 13.10 | 20.78 | 8.33 | 83.88 | |
180010x0xxx0xx | 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし | 44 | 19.18 | 20.06 | 4.55 | 81.91 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 41 | 15.29 | 13.66 | 2.44 | 84.63 | |
010060xx99x20x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし | 36 | 22.69 | 16.94 | 19.44 | 73.11 |
高齢化に伴い、複数の併存疾患を有する方が増加しています。生活習慣病以外にも認知症などの加齢に伴う疾患も含めると、特定の疾患や専門による分類だけでは患者様の全体像をつかむことが困難な時代となっています。総合診療科は疾患や専門に限らず、より全般的(ジェネラル)な視点を持って診療にあたっています。診断のつかない未分化な健康問題を持っている方に対して、丁寧な問診と診察で診断をつけることも総合診療科の得意とするところです。入院診療に関して最も多い年齢層は65歳以上、特に後期高齢者に該当する層です。肺炎や腎盂腎炎といった感染症の他、心不全や慢性閉塞性肺疾患が頻度の高い入院理由となっています。内科疾患に対する専門性も有しており、一般病棟への入院はもちろん、集中治療が必要な方にも対応しています。必要に応じて内科や外科、泌尿器科などとも連携しながら質の高い医療を提供するよう心がけています。また、看護師、リハビリスタッフ、地域連携室、栄養室など様々な医療職とチームになって活動し、ケアの向上を常に意識しています。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | 48 | 5.08 | 5.99 | 0.00 | 60.46 | |
060335xx0200xx | 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし | 33 | 6.24 | 7.05 | 0.00 | 65.27 | |
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 29 | 4.86 | 4.54 | 0.00 | 64.00 | |
060241xx97xxxx | 痔核 手術あり | 29 | 4.55 | 5.38 | 0.00 | 58.24 | |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 | 28 | 4.04 | 5.32 | 0.00 | 35.79 |
胆石、鼡径ヘルニア症例は昨年と同様の手術数であるが、ALTA硬化療法(ジオン注射)療法を開始したことにより痔核の症例が増加している。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx02xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 130 | 40.66 | 25.29 | 20.00 | 82.52 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 45 | 27.33 | 21.38 | 0.00 | 72.93 | |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし | 45 | 28.36 | 19.16 | 13.33 | 81.42 | |
160760xx01xxxx | 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 | 35 | 5.71 | 5.95 | 0.00 | 65.83 | |
160980xx99x0xx | 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2 なし | 19 | 34.47 | 19.30 | 15.79 | 81.05 |
大腿骨近位部骨折に対しては、可能なかぎり受傷後48時間以内に手術を行い緊急整復固定、緊急挿入加算を算定しています。術後はクリニカルスタンダードに基づいた骨折リエゾンサービスを行い、二次性骨折予防継続管理加算を算定しています。変形性膝関節症や股関節症に対しては、ナビゲーションを用いた安全で正確な人工関節置換術を行っています。椎体骨折に対しては基本的に装具を用いた保存治療とクリニカルスタンダードに基づいた骨折リエゾンサービスを行っています。不安定な椎体骨折や神経症状がある場合は椎体固定術を行っています。
小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
140010x199x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし | 72 | 8.33 | 6.11 | 0.00 | 0.00 | |
040090xxxxxxxx | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) | 47 | 5.79 | 6.22 | 0.00 | 0.89 | |
140010x199x1xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 1あり | 37 | 8.89 | 10.60 | 0.00 | 0.00 | |
040100xxxxx00x | 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 28 | 5.89 | 6.38 | 0.00 | 3.75 | |
0400801199x0xx | 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし | 25 | 5.80 | 5.61 | 0.00 | 4.84 |
当院は離島である宮古圏域すべての小児患者に対する唯一の入院施設です。小児科外来、小児救急および小児科病棟も開設しており、すべての小児科疾患が入院対象となっております。
DPCの上位には、一般的な小児病院と同様に肺炎などの呼吸器感染症が入っており、重症患者に対しては、人工呼吸器管理も行っております。また、新生児疾患として低出生体重児、低血糖、敗血症にも対応しております。
DPCの上位には、一般的な小児病院と同様に肺炎などの呼吸器感染症が入っており、重症患者に対しては、人工呼吸器管理も行っております。また、新生児疾患として低出生体重児、低血糖、敗血症にも対応しております。
産婦人科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120180xx01xxxx | 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 | 49 | 9.51 | 9.40 | 0.00 | 32.02 | |
120260x001xxxx | 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 | 22 | 7.91 | 9.34 | 0.00 | 32.59 | |
120170x199xxxx | 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし | 20 | 14.40 | 19.47 | 10.00 | 29.55 | |
120200xx99x0xx | 妊娠中の糖尿病 手術なし 手術・処置等2 なし | 13 | 3.00 | 4.06 | 0.00 | 31.77 | |
120180xx99xxxx | 胎児及び胎児付属物の異常 手術なし | 10 | 9.10 | 6.65 | 0.00 | 30.60 |
宮古島の中核病院としてNICU(新生児集中治療室)を併設し、地域周産期母子医療センターとして主にハイリスク妊娠・分娩を扱っております。里帰り分娩を含めて他院からの紹介患者様も積極的に受け入れ、24時間体制で産科・婦人科救急疾患に対応しております。妊娠30週未満の早産に至りそうな患者様や分娩時に大量出血が予想される場合などに関しましては、沖縄本島の施設へご紹介もしくは母体搬送をさせていただくことがあります。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり | 28 | 2.71 | 2.45 | 0.00 | 74.79 | |
110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし | 17 | 7.65 | 6.81 | 0.00 | 74.94 | |
11012xxx97xx0x | 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病 なし | 15 | 11.87 | 7.30 | 0.00 | 64.40 | |
110420xx02xxxx | 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 | 13 | 2.62 | 4.07 | 0.00 | 67.85 | |
110200xx02xxxx | 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 | 11 | 8.73 | 7.77 | 0.00 | 78.91 |
最良の結果を目指し、患者・医療者がともに歩んでいく泌尿器科診療でありたいと考えています。病状・治療方針についてわかりやすく説明するよう努め、質問しやすい雰囲気づくりに努めます。泌尿器科救急および地域の医療福祉施設の求めに迅速に対応するよう努力します。他の診療科と良好な関係を築き、チームとして対応できる体制を作ります。泌尿器科専門領域によっては、必要に応じて医師を招聘し診療にあたります。前立腺癌の薬物療法は、従来のホルモン療法に加え、新規アンドロゲン受容体標的薬や抗がん剤を駆使し可能なかぎり良好な経過をたどるよう努力しております。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 18 | 23.22 | 18.68 | 27.78 | 69.06 | |
010040x199x0xx | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2 なし | 18 | 30.56 | 22.21 | 50.00 | 76.83 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 10 | 18.30 | 7.99 | 20.00 | 71.60 | |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | – | – | 9.83 | – | – | |
010040x101x1xx | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等 手術・処置等2 あり | – | – | 39.52 | – | – |
頭部外傷や脳卒中による緊急入院の方がほとんどです。
一刻を争う状況に対応できるように、脳神経外科医が24時間待機しています。
一刻を争う状況に対応できるように、脳神経外科医が24時間待機しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし | 17 | 4.35 | 5.63 | 0.00 | 33.76 | |
030440xx01xxxx | 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術等 | 10 | 6.40 | 6.06 | 0.00 | 58.80 | |
030440xx02xxxx | 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓膜形成手術 | – | – | 3.37 | – | – | |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | – | – | 5.84 | – | – | |
030320xxxxxxxx | 鼻中隔弯曲症 | – | – | 5.63 | – | – |
耳鼻咽喉科といえば“耳”と“鼻”の印象が強いかもしれませんが、耳鼻“咽喉”科なので、“のど”も診察します。その中で急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍といった扁桃腺の感染症は、しばしば重症化することもあり、入院による適切な加療が必要となることがありますが、当院ではそういった疾患に対しての入院加療や緊急手術にも対応しています。
“耳”は鼓膜穿孔や慢性中耳炎がほとんどですが、宮古圏域の特徴として、遺伝性難聴が多いことも知られています。当院では月に1回、耳科専門医の応援医師による難聴・補聴器外来を行っており、先天性~後天性難聴、軽度~重度難聴まで幅広く診察し、個人あった補聴器の提案等を行っています。
また“鼻”では慢性副鼻腔炎などが代表的な疾患です。慢性副鼻腔炎の中でも近年、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎で好酸球性副鼻腔炎という難病が注目されています。手術加療を行っても高い確率で再発することが知られている疾患ですが、近年、好酸球性副鼻腔炎の再発に対して複数の生物学的製剤の適応が通り、患者様のQOL改善に大きく貢献しています。当院では、この好酸球性副鼻腔炎の診断、手術加療、術後フォロー、生物学的製剤の使用が可能です。
耳鼻咽喉科で診察する最も重要な疾患に頭頚部癌があります。当院では咽頭癌・喉頭癌・上顎癌・甲状腺癌といったほとんどの頭頚部癌の診断が可能です。治療に関しては当院には無い放射線治療を要することが多いため、基本的には琉球大学病院での治療となりますが、当院と琉大病院とで密接な連携を取っているため、治療後の定期通院や検査も当院で対応可能です。令和7年度からは当院での化学療法(抗癌剤治療)も開始しました。
“耳”は鼓膜穿孔や慢性中耳炎がほとんどですが、宮古圏域の特徴として、遺伝性難聴が多いことも知られています。当院では月に1回、耳科専門医の応援医師による難聴・補聴器外来を行っており、先天性~後天性難聴、軽度~重度難聴まで幅広く診察し、個人あった補聴器の提案等を行っています。
また“鼻”では慢性副鼻腔炎などが代表的な疾患です。慢性副鼻腔炎の中でも近年、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎で好酸球性副鼻腔炎という難病が注目されています。手術加療を行っても高い確率で再発することが知られている疾患ですが、近年、好酸球性副鼻腔炎の再発に対して複数の生物学的製剤の適応が通り、患者様のQOL改善に大きく貢献しています。当院では、この好酸球性副鼻腔炎の診断、手術加療、術後フォロー、生物学的製剤の使用が可能です。
耳鼻咽喉科で診察する最も重要な疾患に頭頚部癌があります。当院では咽頭癌・喉頭癌・上顎癌・甲状腺癌といったほとんどの頭頚部癌の診断が可能です。治療に関しては当院には無い放射線治療を要することが多いため、基本的には琉球大学病院での治療となりますが、当院と琉大病院とで密接な連携を取っているため、治療後の定期通院や検査も当院で対応可能です。令和7年度からは当院での化学療法(抗癌剤治療)も開始しました。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 | 29 | 2.97 | 2.49 | 3.45 | 67.24 | |
020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 | – | – | 4.29 | – | – | |
020280xx97xxxx | 角膜の障害 手術あり | – | – | 8.78 | – | – | |
020130xxxxxxxx | 後部・汎ぶどう膜炎 | – | – | 14.36 | – | – | |
020110xx99xxxx | 白内障、水晶体の疾患 手術なし | – | – | 2.37 | – | – |
当院では、片眼2泊3日の入院にて白内障手術を行っております。
通常は局所麻酔にて行いますが、認知症や精神疾患などで局所麻酔が困難な場合は、全身麻酔下にて白内障手術を行っております。
また、角膜潰瘍・原田病など、入院にて加療が必要な疾患も対応しています。
通常は局所麻酔にて行いますが、認知症や精神疾患などで局所麻酔が困難な場合は、全身麻酔下にて白内障手術を行っております。
また、角膜潰瘍・原田病など、入院にて加療が必要な疾患も対応しています。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080006xx01x0xx | 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし | 13 | 5.46 | 6.92 | 7.69 | 79.62 | |
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1 なし | – | – | 12.98 | – | – | |
080007xx010xxx | 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし | – | – | 3.77 | – | – | |
080190xxxxxxxx | 脱毛症 | – | – | 3.29 | – | – | |
080250xx9701xx | 褥瘡潰瘍 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 あり | – | – | 42.84 | – | – |
当科では、他院からの紹介状をお持ちいただいた患者様を診察させていただいております。紹介状をお持ちでない患者様は、選定療養費がかかりますのでご了承ください。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | – | – | – | – | – | – | 1 | 7 |
大腸癌 | 18 | 18 | 35 | 19 | – | 15 | 1 | 7 |
乳癌 | – | – | – | – | – | 1 | 7 | |
肺癌 | – | – | 10 | 26 | – | 1 | 8,7 | |
肝癌 | – | 10 | – | – | 1 | 7 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
悪性疾患では大腸がん症例が多く、今後も増加傾向にあると考えられる。宮古島を含めた大腸がんの死亡率は全国ワーストにあり、これは発症時にすでに進行がんが多い事に起因することが証明されている。今後は低侵襲手術で治療を行うと同時に、より早期で大腸がんを発見できるように島民に向けての検診の重要性を啓発するセミナーを行っている。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 25 | 13.00 | 62.92 |
中等症 | 117 | 10.99 | 78.88 |
重症 | 24 | 12.50 | 82.92 |
超重症 | – | – | – |
不明 | – | – | – |
宮古島では超高齢社会を反映して、肺炎や尿路感染症での入院があります。多くの患者が75歳以上の後期高齢者を占め、重症患者の平均年齢は82.92歳と際立っています。また、酸素投与を必要とする中等症以上の症例が救急受診されるケースも多く、入院管理を必要としております。肺炎のような呼吸器の感染症は自宅や介護施設での経過をみていくことが困難であり、治療経過も1-2週間を要します。近年では、耐性菌の増加から抗菌薬の選択が制限される事例もあり、治療に困難を生じることもあります。肺炎に限らず高齢者が入院すると、入院中の筋力低下、廃用の進行、サルコペニアも大きな問題となっています。若い頃からの喫煙が問題でCOPDの患者も多く、50代以降から繰り返されている方も居ます。喫煙率が高いことも肺炎の罹患率、重症度が高いことの一因でしょう。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 99 | 24.92 | 73.01 | 17.86 |
その他 | 13 | 16.69 | 68.23 | 2.68 |
発症後3日以内に来院される方が約90%以上を占めています。
当院では救急科と連携し、前述の血栓回収術などの閉塞性脳血管疾患に対する超急性期治療を積極的に行っています。
脳卒中(脳梗塞および脳出血)の急性期にはできるだけ早くにリハビリを開始しています。当院には理学・作業・言語療法それぞれのスタッフと専従医が揃っており、急性期に必要なリハビリが受けられます。また急性期治療終了後1ヶ月以上のリハビリが必要と考えられる方には、積極的に回復期リハビリテーション病院への転院をお勧めしています。転院までの紹介や手続きなどは当院の地域連携室が十分にお手伝いします。
当院では救急科と連携し、前述の血栓回収術などの閉塞性脳血管疾患に対する超急性期治療を積極的に行っています。
脳卒中(脳梗塞および脳出血)の急性期にはできるだけ早くにリハビリを開始しています。当院には理学・作業・言語療法それぞれのスタッフと専従医が揃っており、急性期に必要なリハビリが受けられます。また急性期治療終了後1ヶ月以上のリハビリが必要と考えられる方には、積極的に回復期リハビリテーション病院への転院をお勧めしています。転院までの紹介や手続きなどは当院の地域連携室が十分にお手伝いします。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 69 | 2.96 | 10.91 | 4.35 | 77.59 | |
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) | 52 | 1.60 | 3.79 | 1.92 | 68.48 | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) | 28 | 1.46 | 2.86 | 0.00 | 67.64 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 27 | 1.70 | 8.56 | 7.41 | 66.41 | |
K708-3 | 内視鏡的膵管ステント留置術 | 26 | 4.08 | 13.88 | 3.85 | 65.58 |
食の欧米化に伴い宮古島でも大腸癌は増えています。大腸癌は大腸ポリープから発症し、大腸ポリープのレベルで大腸癌が見つかれば早期癌といい、内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術で完全治癒が見込まれます。大腸の進行癌になると開腹手術か腹腔鏡手術になりますが、その侵襲性から患者さんの負担を考え、予防的見地からも積極的に大腸カメラを行っています。宮古島は胆石症、胆管癌、膵臓癌も比較的多いなかで、胆管・膵管が閉塞すると黄疸や膵臓炎を起こすことがあるため、内視鏡的胆道ステント留置術・膵管ステント留置術を行っています。一般に初期の膵臓癌の診断が難しく、当院では超音波内視鏡を行い初期の膵臓癌の積極的な診断に力を入れています。高齢者は心筋梗塞や脳梗塞の治療として抗血小板薬や抗凝固薬内服あるいは鎮痛薬を内服する患者さんも多いのが現状です。薬の副作用で消化管出血をきたすこともあり、これらの消化管出血が起きた場合には内視鏡的止血治療も行っています。生活習慣病からくる狭心症には、経皮的冠動脈ステント留置術を行っています。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 94 | 1.40 | 3.83 | 0.00 | 63.69 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 28 | 0.36 | 2.57 | 0.00 | 34.50 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 26 | 1.04 | 2.62 | 0.00 | 52.62 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 等 | 24 | 3.21 | 11.04 | 0.00 | 71.13 | |
K7435 | 痔核手術(脱肛を含む。)(根治手術(硬化療法(四段階注射法によるもの)を伴うもの)) | 12 | 1.08 | 2.75 | 0.00 | 61.58 |
2023年4月より外科疾患は基本的に腹腔鏡手術を第一選択としており、ヘルニア、虫垂炎、大腸がんに対して積極的に行っている。その結果、鼠径ヘルニアにおいては平均在院日数が以前に比べ短縮している。これは腹腔鏡手術と従来の鼠径部切開法と比較した場合、前者が術後の疼痛が少ないため、入院期間が短縮されたと考えている。ほか、胆石、大腸がん症例も平均在院日数の短縮が見られ、腹腔鏡手術の導入による成果と考えている。痔核手術もALTA硬化療法を導入したことにより在院日数の短縮が見られる。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) 等 | 98 | 3.80 | 32.14 | 13.27 | 79.64 | |
K0821 | 人工関節置換術(膝) 等 | 57 | 1.79 | 25.05 | 1.75 | 72.18 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 54 | 4.09 | 33.44 | 18.52 | 81.48 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕) 等 | 49 | 1.51 | 8.27 | 0.00 | 64.69 | |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕) 等 | 20 | 0.50 | 1.80 | 0.00 | 60.30 |
高齢化を反映して、骨粗鬆症を基盤にした大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折に対する手術や変形性関節症に対する人工関節置換術が多いのが特徴です。大腿骨転子部骨折に対する骨折観血的手術(大腿)は基本的に髄内釘を用いた手術を行っています。大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術(股)はセメントを用いないインプラントを使用しています。橈骨遠位端骨折に対する骨折観血的手術(前腕)は、掌側ロッキングプレートを用いた手術を行っています。
産婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8982 | 帝王切開術(選択帝王切開) | 41 | 2.05 | 6.71 | 0.00 | 32.34 | |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 39 | 2.51 | 6.82 | 0.00 | 31.79 | |
K861 | 子宮内膜掻爬術 | 17 | 0.94 | 2.06 | 0.00 | 55.06 | |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | – | – | – | – | – | |
K8881 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹によるもの) | – | – | – | – | – |
当院の2024年度の分娩件数は154件(うち帝王切開術は85件)でした。当院は宮古島で唯一帝王切開を行う施設であり、またハイリスク妊娠・分娩の患者様の対応をさせていただいております。手術の際は小児科および麻酔科とともに安全に手術を行い、術中および術後の疼痛管理も十分に行うことを目標としております。婦人科疾患に関しましては良性疾患(子宮筋腫など)を中心に診療しております。悪性疾患や悪性が疑われる場合の初回治療や専門的な技術を要する腹腔鏡手術に関しましては、沖縄本島の施設へ紹介させていただくことがあります。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 35 | 1.80 | 10.80 | 0.00 | 66.37 | |
K8036ロ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) | 19 | 1.00 | 5.58 | 0.00 | 75.11 | |
K8412 | 経尿道的前立腺手術(その他のもの) | 12 | 2.58 | 7.17 | 8.33 | 78.58 | |
K775 | 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | – | – | – | – | – | |
K7812 | 経尿道的尿路結石除去術(その他のもの) | – | – | – | – | – |
前立腺肥大症はポピュラーな泌尿器科疾患で認知度も高いと思われますが、これに対する手術として、当科では開設時から経尿道的前立腺切除術を行っています。レーザーを用いた治療も広く行われておりますが、現在でも標準的な治療として位置づけされており、安全かつ有効な治療として長年実施しております。尿路結石治療に関しては、対外衝撃波破砕術の適応があれば、宮古島徳洲会病院へ紹介し、当科では経尿道的破砕術を行うという役割分担を行っています。ただし、軟性尿管鏡とレーザーを組み合わせた破砕術ではないため、上部尿路結石については対応が困難で島外への施設へ紹介しているのが現状です。尿路結石に尿路感染を併発した発熱性複雑性尿路感染症に対しては、尿管ステント留置術や腎瘻造設術をおこなっておりますが、容易に敗血症へ陥る危険があるため可及的速やかに対応するようこころがけております。近年高齢者の比率が増えてきており、この傾向は今後も続くものと思われます。
総合診療科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) | 16 | 12.44 | 10.75 | 12.50 | 72.13 | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) | – | – | – | – | – | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | – | – | – | – | – | |
K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) | – | – | – | – | – | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | – | – | – | – | – |
耳鼻咽喉科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3191 | 鼓室形成手術(耳小骨温存術) | 10 | 1.00 | 4.30 | 0.00 | 53.10 | |
K318 | 鼓膜形成手術 | – | – | – | – | – | |
K287 | 先天性耳瘻管摘出術 | – | – | – | – | – | |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | – | – | – | – | – | |
K6261 | リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) | – | – | – | – | – |
当院では月に1回、耳科専門医の応援医師による耳科手術を行っています。鼓膜形成術・鼓室形成術Ⅰ型がほとんどですが、耳小骨再建なども可能です。人工内耳などの施設基準を要する手術は行っていませんが、基幹病院である琉球大学病院と連携を取っているため、必要に応じて紹介も行っています。
また、R6年度からは鼻科手術も開始しました。おもに汎副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎)、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎に対しての手術を行っています。また鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)は、近年生物学的製剤の適応が通りましたが、前提として一度手術加療をされていることが条件となります。当院ではその診断、手術加療、術後フォロー、生物学的製剤の使用までの一連の流れを行うことが可能です。R7年度以降は年間30件程度の鼻科手術を予定しています。
他にも主に小児で、先天性耳瘻孔に対する先天性耳瘻管摘出術や、滲出性中耳炎に対する鼓膜ドレーンチュービング術なども行っています。
また、R6年度からは鼻科手術も開始しました。おもに汎副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎)、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎に対しての手術を行っています。また鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)は、近年生物学的製剤の適応が通りましたが、前提として一度手術加療をされていることが条件となります。当院ではその診断、手術加療、術後フォロー、生物学的製剤の使用までの一連の流れを行うことが可能です。R7年度以降は年間30件程度の鼻科手術を予定しています。
他にも主に小児で、先天性耳瘻孔に対する先天性耳瘻管摘出術や、滲出性中耳炎に対する鼓膜ドレーンチュービング術なども行っています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) | 36 | 1.17 | 0.97 | 2.78 | 67.81 | |
K256 | 角膜潰瘍結膜被覆術 | – | – | – | – | – | |
K241 | 眼球摘出術 | – | – | – | – | – | |
– | – | – | – | – | – | – | |
– | – | – | – | – | – | – |
入院手術は白内障手術が主となっていますが、緊急入院手術が必要な疾患に関しても、可能な限り対応しております。
翼状片手術・霰粒腫手術・結膜弛緩症手術などは、日帰り外来手術にて行っております。
翼状片手術・霰粒腫手術・結膜弛緩症手術などは、日帰り外来手術にて行っております。
皮膚科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | 14 | 0.21 | 4.00 | 7.14 | 80.36 | |
K0052 | 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上,4㎝未満) | – | – | – | – | – | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) | – | – | – | – | – | |
K0062 | 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上,6㎝未満) | – | – | – | – | – | |
K0022 | デブリードマン(100 以上3,000 未満) | – | – | – | – | – |
当科では、皮膚悪性腫瘍の手術や皮膚良性腫瘍の手術を行なっております。症状により、本島の病院へご紹介いたします。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 7 | 1.00 | 6.29 | 0.00 | 81.00 | |
K178-4 | 経皮的脳血栓回収術 | 4 | 0.00 | 36.00 | 75.00 | 72.25 | |
K164-5 | 内視鏡下脳内血腫除去術 | 3 | 0.00 | 66.00 | 100.00 | 70.67 | |
K1643 | 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) | – | – | – | – | – | |
K1721 | 脳動静脈奇形摘出術(単純なもの) | – | – | – | – | – |
緊急性のある頭部外傷や脳卒中に対する手術がほとんどです。
最近は脳塞栓症の発症が増えてきており、マイクロカテーテルで詰まった塞栓子を取り除く経皮的脳血栓回収術が増えてきています。
最近は脳塞栓症の発症が増えてきており、マイクロカテーテルで詰まった塞栓子を取り除く経皮的脳血栓回収術が増えてきています。
小児科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) | 2 | 7.50 | 9.50 | 0.00 | 13.50 | |
K190-5 | 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填 | 2 | 7.00 | 2.50 | 0.00 | 11.50 | |
K9132 | 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) | 2 | 0.00 | 7.00 | 0.00 | 0.00 | |
K653-3 | 内視鏡的食道及び胃内異物摘出術 | – | – | – | – | – | |
K367 | 咽後膿瘍切開術 | – | – | – | – | – |
当科は小児内科であるため、いわゆる手術は行っておりません。
緊急処置として、上位3位までに新生児医療としての新生児仮死蘇生術や救急医療処置が入っております。
緊急処置として、上位3位までに新生児医療としての新生児仮死蘇生術や救急医療処置が入っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 67 | 1.44 |
異なる | 20 | 0.43 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | – | – |
異なる | – | – | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 39 | 0.84 |
異なる | – | – |
免疫力の低下した患者、癌治療で抗がん剤を使用している患者においてたびたび問題になり、時には症状が出にくく気付いたときには進行している事も多いため、重篤な経過になることがあります。敗血症では血液を採取し培養に提出することを当院では徹底し、二カ所から採血を行わせていただいております。そのため、ほとんどの症例で見逃しは少なく、約8割で入院時病名の敗血症が主病名と一致しています。患者さまに二カ所の採血負担をお願いしていますが、しっかりとした診断をつけることに繋がっています。
また、手術・処置等の合併症は処置に関する感染として透析シャントに関する感染、ペースメーカー挿入術後の感染が約半数を占めます。術創部感染などを防ぐため、感染制御委員会のチームで対策を検討し、監視をしております。
また、手術・処置等の合併症は処置に関する感染として透析シャントに関する感染、ペースメーカー挿入術後の感染が約半数を占めます。術創部感染などを防ぐため、感染制御委員会のチームで対策を検討し、監視をしております。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
---|---|---|
534 | 439 | 82.21% |
血栓塞栓症に対する予防対策を遵守することにより、重篤な術後肺血栓症を発症した患者は認められていない。今後も継続する方針である。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
3389 | 2364 | 69.76% |
令和6年度の血液培養2セット実施率になります。
約7割の実施率という結果になっています。
約7割の実施率という結果になっています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
288 | 271 | 94.10% |
令和6年度の広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率は94.10%となっています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) |
転倒・転落発生率 |
---|---|---|
80810 | 182 | 2.25‰ |
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率 |
---|---|---|
– | – | – |
表中の「-」は退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数が0または10未満の数値であることを表します。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
---|---|---|
485 | 481 | 99.18% |
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
---|---|---|
80810 | 49 | 0.06% |
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
---|---|---|
2771 | 2254 | 81.34% |
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) |
身体的拘束の実施率 |
---|---|---|
59872 | 1573 | 2.63% |
更新履歴