令和5年度 沖縄県立宮古病院 病院指標

令和5年度 沖縄県立宮古病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 397 71 116 213 298 382 819 925 863 384

当院は、宮古圏域における中核病院として、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の患者様に質の高い医療を提供しています。令和5年度の状況をみると、60歳以上の高齢者が約67%でさらにこれらの患者さんは入院比率が高いという特徴があり、高齢者の占める人口構成比と並行して入院患者の高齢化も目立ちます。その一方で、新生児・乳幼児の入院患者の占める割合も比較的高いため、高齢者医療だけではなく、新生児医療を支えているという急性期病院の特徴をもっていると言えます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

内科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 94 3.06 3.05 5.32 67.04
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 72 14.43 17.38 2.78 83.07
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 63 8.44 8.75 3.17 74.68
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 54 14.89 20.60 20.37 82.59
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 45 4.49 4.26 0.00 67.27

宮古島は県内でも生活習慣病や高齢者の割合が高くなっています。狭心症などの虚血性心疾患が増えているなかで、当院では経皮的冠動脈形成術を行い、左冠動脈主幹部や多枝病変の患者さんには予後を考え、沖縄本島の心臓血管外科施設のある病院を紹介してバイパス手術を行っています。繰り返し入院する心不全の患者さんに対しては、その原因を精査して原因に基づいた治療を行っています。心不全の重症度に応じて薬物療法、持続陽圧呼吸療法(C-PAP)、気管内挿管、大動脈内バルーンパンピング法(IABP)などの治療を行っており、それに関連した多職種のチーム医療で患者様をサポートしています。また、宮古島は肝内外胆管の結石・胆管炎も多く、内視鏡下切石術ないし内視鏡的胆道ステント留置術を行い、ドレナージし抗生物質による治療も行っています。高齢化から嚥下機能障害による誤嚥性肺炎や排尿機能障害からくる腎臓、尿路感染症から敗血症にいたることもあり、喀痰や尿を採取したうえでグラム染色を行い、CTなどの画像検査や血液培養などで原因菌を同定して適切な抗生物質で治療しています。


外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 39 5.08 5.98 0.00 63.23
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 5.66 6.87 0.00 59.45
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 33 5.18 4.55 0.00 67.52
060150xx02xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 19 7.53 9.68 0.00 52.68
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 19 3.68 5.29 0.00 40.05

入院患者数では胆石(胆嚢炎を含む)77例、鼠径ヘルニア33例、虫垂炎38例、結腸がん19例であり、昨年と同等の症例数であった。


整形外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 122 38.55 25.50 13.93 83.17
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 51 2.41 4.76 0.00 55.06
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 32 27.97 19.34 9.38 76.50
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 29 27.34 21.96 0.00 74.38
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 定義副傷病 なし 15 2.87 5.67 0.00 18.53

高齢者が多く受傷される大腿骨の近位部骨折に対しては、ADLの低下の防ぐため、麻酔科医や手術室スタッフとの連携を元に、可能な限り早期に手術治療を行う事をモットーにしています。術後はリハビリスタッフの協力を得て、元のレベルへの回復を目標にリハビリを行っています。また、末期の変形性膝関節症や股関節症に対しては、人工関節置換術も行っています。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症等の患者さんも、大勢いらっしゃいます。診断や保存的治療は特に問題ありませんが、手術が必要な患者さんに対しては、現在当院には脊椎外科の専門医がいないため、連携している沖縄本島の病院(琉球大学病院等)に紹介しています。近年増加傾向にある、骨粗鬆症の治療にも力をいれています。


総合診療科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 40 13.70 13.52 10.00 72.70
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 31 15.81 20.60 3.23 80.65
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 21 14.38 12.88 0.00 67.24
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 17 18.82 20.03 0.00 79.35
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 8.65 7.19 5.88 56.00

高齢化に伴い、複数の併存疾患を有する方が増加しています。生活習慣病以外にも認知症などの加齢に伴う疾患も含めると、特定の疾患や専門による分類だけでは患者様の全体像をつかむことが困難な時代となっています。総合診療科は疾患や専門に限らず、より全般的(ジェネラル)な視点を持って診療にあたっています。診断のつかない未分化な健康問題を持っている方に対して、丁寧な問診と診察で診断をつけることも総合診療科の得意とするところです。入院診療に関して最も多い年齢層は65歳以上、特に後期高齢者に該当する層です。肺炎や腎盂腎炎といった感染症の他、心不全や慢性閉塞性肺疾患が頻度の高い入院理由となっています。内科疾患に対する専門性も有しており、一般病棟への入院はもちろん、集中治療が必要な方にも対応しています。必要に応じて内科や外科、泌尿器科などとも連携しながら質の高い医療を提供するよう心がけています。また、看護師、リハビリスタッフ、地域連携室、栄養室など様々な医療職とチームになって活動し、ケアの向上を常に意識しています。


小児科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 70 7.37 6.07 0.00 0.00
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 67 5.85 5.96 0.00 0.60
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 44 4.82 6.37 0.00 3.80
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 1あり 26 8.08 10.34 0.00 0.00
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 6.69 5.62 0.00 2.46

当院は離島である宮古圏域すべての小児患者に対する唯一の入院施設です。小児科外来、小児救急およびNICU、GCUも開設しているため、すべての小児科疾患が入院対象となっております。
DPCの上位には、一般的な小児病院と同様に肺炎などの呼吸器感染症が入っており、重症患者に対しては、人工呼吸器管理も行っております。また、新生児疾患として低出生体重児、低血糖、敗血症にも対応しております。


産婦人科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 45 8.47 9.34 0.00 33.38
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 22 3.59 5.10 0.00 33.95
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 21 9.14 9.31 0.00 31.81
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 15 19.73 20.10 0.00 31.87
120230xx02xxxx 子宮の非炎症性障害 子宮鏡下子宮中隔切除術、子宮内腔癒着切除術(癒着剥離術を含む。)等 15 2.93 2.48 0.00 48.93

宮古島の中核病院としてNICU(新生児集中治療室)を併設し、地域周産期母子医療センターとして主にハイリスク妊娠・分娩を扱っております。里帰り分娩を含めて他院からの紹介患者様も積極的に受け入れ、24時間体制で産科・婦人科救急疾患に対応しております。妊娠30週未満の早産に至りそうな患者様や分娩時に大量出血が予想される場合などに関しましては、沖縄本島の施設へご紹介もしくは母体搬送をさせていただくことがあります。


泌尿器科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 20 7.25 7.75 0.00 74.25
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 14 1.93 2.44 0.00 71.79
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 14 13.36 13.52 0.00 70.36
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 14 3.21 4.02 0.00 69.14
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 13 7.62 6.85 0.00 77.38

最良の結果を目指し、患者・医療者がともに歩んでいく泌尿器科診療でありたいと考えています。病状・治療方針についてわかりやすく説明するよう努め、質問しやすい雰囲気づくりに努めます。泌尿器科救急および地域の医療福祉施設の求めに迅速に対応するよう努力します。他の診療科と良好な関係を築き、チームとして対応できる体制を作ります。泌尿器科専門領域によっては、必要に応じて医師を招聘し診療にあたります。前立腺癌の薬物療法は、従来のホルモン療法に加え、新規アンドロゲン受容体標的薬や抗がん剤を駆使し可能なかぎり良好な経過をたどるよう努力しております。


脳神経外科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 25 21.12 19.09 32.00 63.12
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 19 30.74 22.61 42.11 71.00
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 10 12.20 8.38 0.00 66.30
010040x101x1xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等 手術・処置等2 あり 39.64
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 9.88

脳神経外科に入院される患者様の多くは、頭部外傷と脳卒中による頭蓋内出血の方です。突然発症することがほとんどであるため、脳神経外科医が2名体制で待機しています。


皮膚科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 17 6.06 7.22 0.00 75.12
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 12.88
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 9.29
080250xx9701xx 褥瘡潰瘍 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 あり 44.64
080140xxxxx0xx 炎症性角化症 手術・処置等2 なし 13.38

当科では、他院からの紹介状をお持ちいただいた患者様を診察させていただいております。紹介状をお持ちでない患者様は、選定療養費がかかりますのでご了承ください。


眼科


DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 10 3.00 2.54 0.00 65.10
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 4.46
020280xx99xxxx 角膜の障害 手術なし 15.11
160250xxxx1xxx 眼損傷 手術・処置等1 あり 8.04
160250xxxx0xxx 眼損傷 手術・処置等1 なし 4.75

当院では、片眼2泊3日の入院にて白内障手術を行っております。
通常は局所麻酔にて行いますが、認知症や精神疾患などで局所麻酔が困難な場合は、全身麻酔下にて白内障手術を行っております。
また、角膜潰瘍・眼球破裂・原田病など、入院にて加療が必要な疾患も対応しています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 19 1 7
大腸癌 11 17 37 21 12 1 7
乳癌 1 7
肺癌 31 37 1 7
肝癌 1 7

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

悪性疾患では大腸がん症例が多く、今後も増加傾向にあると考えられる。宮古島を含めた大腸がんの死亡率は全国ワーストにあり、これは発症時にすでに進行がんが多い事に起因することが証明されている。今後は低侵襲手術で治療を行うと同時に、より早期で大腸がんを発見できるように島民に向けての検診の重要性を啓発するセミナーを行っている。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 24 7.00 59.46
中等症 93 13.63 79.96
重症 20 21.60 85.65
超重症
不明

宮古島では超高齢社会を反映して、肺炎や尿路感染症での入院があります。多くの患者が75歳以上の後期高齢者を占め、重症患者の平均年齢は85.65歳と際立っています。また、酸素投与を必要とする中等症以上の症例が救急受診されるケースも多く、入院管理を必要としております。肺炎のような呼吸器の感染症は自宅や介護施設での経過をみていくことが困難であり、治療経過も1-2週間を要します。近年では、耐性菌の増加から抗菌薬の選択が制限される事例もあり、治療に困難を生じることもあります。肺炎に限らず高齢者が入院すると、入院中の筋力低下、廃用の進行、サルコペニアも大きな問題となっています。若い頃からの喫煙が問題でCOPDの患者も多く、50代以降から繰り返されている方も居ます。喫煙率が高いことも肺炎の罹患率、重症度が高いことの一因でしょう。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 110 24.65 77.08 17.95
その他

発症3日以内に来院される方が約90%を占めています。
当院では救急科と連携し、t-PA静注療法や血管内治療による機械的血栓摘除術などの超急性期治療を積極的に行っています。
また脳卒中(脳梗塞および脳出血)に対するリハビリについては、理学・作業・言語療法それぞれのスタッフが揃っており、多くは発症3日以内にリハビリを開始しています。また回復期リハビリテーション病院との連携を密にとっており、急性期治療終了後1ヶ月以上のリハビリが必要と考えられる方には積極的に転院をお勧めしています。回復期リハビリテーションに励まれ、その効果に満足して帰島される方も多くいらっしゃいます。転院準備にあたっては、当院の地域連携室が仲介の役割を担っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 69 3.68 11.43 4.35 77.43
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 40 5.75 6.33 5.00 69.43
K654 内視鏡的消化管止血術 38 1.50 6.97 0.00 67.87
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 34 1.79 2.06 2.94 67.38
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 23 1.57 6.65 0.00 66.43

食の欧米化に伴い宮古島でも大腸癌は増えています。大腸癌は大腸ポリープから発症し、大腸ポリープのレベルで大腸癌が見つかれば早期癌といい、内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術で完全治癒が見込まれます。大腸の進行癌になると開腹手術か腹腔鏡手術になりますが、その侵襲性から患者さんの負担を考え、予防的見地からも積極的に大腸カメラを行っています。宮古島は胆石症、胆管癌、膵臓癌も比較的多いなかで、胆管・膵管が閉塞すると黄疸や膵臓炎を起こすことがあるため、内視鏡的胆道ステント留置術・膵管ステント留置術を行っています。一般に初期の膵臓癌の診断が難しく、当院では超音波内視鏡を行い初期の膵臓癌の積極的な診断に力を入れています。高齢者は心筋梗塞や脳梗塞の治療として抗血小板薬や抗凝固薬内服あるいは鎮痛薬を内服する患者さんも多いのが現状です。薬の副作用で消化管出血をきたすこともあり、これらの消化管出血が起きた場合には内視鏡的止血治療も行っています。生活習慣病からくる狭心症には、経皮的冠動脈ステント留置術を行っています。


整形外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 77 1.90 33.09 14.29 80.40
K0811 人工骨頭挿入術(股) 54 1.72 31.43 11.11 82.04
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 54 1.65 10.04 1.85 57.15
K0821 人工関節置換術(膝) 等 37 1.68 25.46 0.00 73.05
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕) 等 21 0.38 0.95 0.00 47.38

高齢者が多く受傷される大腿骨の近位部骨折に対しては、ADLの低下の防ぐため、麻酔科医や手術室スタッフとの連携を元に、可能な限り早期に手術治療を行う事をモットーにしています。術後はリハビリスタッフの協力を得て、元のレベルへの回復を目標にリハビリを行っています。また、末期の変形性膝関節症や股関節症に対しては、人工関節置換術も行っています。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症等の患者さんも、大勢いらっしゃいます。診断や保存的治療は特に問題ありませんが、手術が必要な患者さんに対しては、現在当院には脊椎外科の専門医がいないため、連携している沖縄本島の病院(琉球大学病院等)に紹介しています。近年増加傾向にある、骨粗鬆症の治療にも力をいれています。


外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 87 1.14 3.79 0.00 62.18
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 28 1.04 2.29 0.00 63.25
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 19 4.21 11.32 5.26 72.00
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 17 0.12 2.47 0.00 44.18
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 17 0.29 6.53 0.00 49.06

2023年4月より外科疾患は基本的に腹腔鏡手術を第一選択としており、ヘルニア、虫垂炎、大腸がんに対して積極的に行っている。その結果、鼠径ヘルニアにおいては平均在院日数が以前に比べ短縮している。これは腹腔鏡手術と従来の鼠径部切開法と比較した場合、前者が術後の疼痛が少ないため、入院期間が短縮されたと考えている。ほか、胆石、大腸がん症例も平均在院日数の短縮が見られ、腹腔鏡手術の導入による成果と考えている。


産婦人科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 41 1.71 7.12 0.00 32.15
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 38 2.34 6.66 0.00 33.71
K861 子宮内膜掻爬術 31 0.77 1.13 0.00 52.13
K867 子宮頸部(腟部)切除術 13 1.00 1.00 0.00 43.08
K9091イ 流産手術(妊娠11週までの場合)(手動真空吸引法によるもの) 10 0.80 1.00 0.00 32.80

当院の2023年度の分娩件数は176件(うち帝王切開術は79件)でした。当院は宮古島で唯一帝王切開を行う施設であり、またハイリスク妊娠・分娩の患者様の対応をさせていただいております。手術の際は小児科および麻酔科とともに安全に手術を行い、術中および術後の疼痛管理も十分に行うことを目標としております。婦人科疾患に関しましては良性疾患(子宮筋腫など)を中心に診療しております。悪性疾患や悪性が疑われる場合の初回治療や専門的な技術を要する腹腔鏡手術に関しましては、沖縄本島の施設へ紹介させていただくことがあります。


泌尿器科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 34 0.21 6.21 0.00 64.56
K8412 経尿道的前立腺手術(その他のもの) 22 2.59 6.86 0.00 74.95
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 15 1.00 5.40 0.00 74.80
K805 膀胱瘻造設術
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術

前立腺肥大症はポピュラーな泌尿器科疾患で認知度も高いと思われますが、これに対する手術として、当科では開設時から経尿道的前立腺切除術を行っています。レーザーを用いた治療も広く行われておりますが、現在でも標準的な治療として位置づけされており、安全かつ有効な治療として長年実施しております。尿路結石治療に関しては、対外衝撃波破砕術の適応があれば、宮古島徳洲会病院へ紹介し、当科では経尿道的破砕術を行うという役割分担を行っています。ただし、軟性尿管鏡とレーザーを組み合わせた破砕術ではないため、上部尿路結石については対応が困難で島外への施設へ紹介しているのが現状です。尿路結石に尿路感染を併発した発熱性複雑性尿路感染症に対しては、尿管ステント留置術や腎瘻造設術をおこなっておりますが、容易に敗血症へ陥る危険があるため可及的速やかに対応するようこころがけております。近年高齢者の比率が増えてきており、この傾向は今後も続くものと思われます。


脳神経外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 等 12 0.67 9.33 16.67 82.00
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの)
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの)
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術

緊急性のある頭部外傷や脳卒中に対する手術がほとんどです。どのような脳卒中にでも対処できる技術と装備を備えています。脳血管内治療専門医が常駐するようになり、脳動脈瘤のコイル塞栓術や頸動脈ステント拡張術なども増えています。


皮膚科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 19 0.26 7.21 0.00 74.79
K0022 デブリードマン(100以上3,000未満)
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満)
K0222 組織拡張器による再建手術(一連につき)(その他の場合)
K0021 デブリードマン(100未満)

当科では、皮膚悪性腫瘍の手術や皮膚良性腫瘍の手術を行なっております。症状により、本島の病院へご紹介いたします。


眼科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 20 1.80 1.30 0.00 68.20
K246 角膜・強膜縫合術
K252 角膜・強膜異物除去術

入院手術は白内障手術が主となっていますが、緊急入院手術が必要な疾患に関しては、可能な限り行っております。翼状片手術・霰粒腫手術・結膜弛緩症手術などは、日帰り外来手術にて行っております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 35 0.78
異なる 13 0.29
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 12 0.27
異なる

免疫力の低下した患者、癌治療で抗がん剤を使用している患者においてたびたび問題になり、時には症状が出にくく気付いたときには進行している事も多いため、重篤な経過になることがあります。敗血症では血液を採取し培養に提出することを当院では徹底し、二カ所から採血を行わせていただいております。そのため、ほとんどの症例で見逃しは少なく、約8割で入院時病名の敗血症が主病名と一致しています。患者さまに二カ所の採血負担をお願いしていますが、しっかりとした診断をつけることに繋がっています。
また、手術・処置等の合併症は処置に関する感染として透析シャントに関する感染、ペースメーカー挿入術後の感染が約半数を占めます。術創部感染などを防ぐため、感染制御委員会のチームで対策を検討し、監視をしております。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
534 467 87.45

血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
3501 2182 62.33

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
281 269 95.73

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